和名:オオナルコユリ。
ユリ科、アマドコロ属。学名、Polygonatum falcatum。
丘陵地や林の木陰などに自生する多年生草本で、北海道から九州及び朝鮮半島に分布します。 丈は大きいものでは1mに達し、茎は少し横に傾き、葉は細長くササの形をしています。
地下茎は節が多く肥厚しており、横に長く這い分岐しています。 花期は5~6月。葉腋から花柄を出し、その先が3~5本に分かれて、緑白色の花が3~8個垂れ下がって開きます。その様子が、米を食べに来た鳥を追い散らすのに用いられていた「鳴子」に似ていたことから、ナルコユリ(鳴子百合)と名付けられました。
若芽は食用とします。
似た品種にアマドコロがありますが、薬効上はオオナルコユリと同じ黄精に分類されます。外観での区別のしかたとして、ナルコユリの茎は丸く稜がなく、アマドコロは茎の断面が6角形になることから区別ができます。
また、似た仲間のホウチャクソウも葉の形が似ていますが、こちらは有毒です。ホウチャクソウは、ナルコユリの様に茎が根元から真直ぐに一本伸びた形ではありません。
新潟県南部地方では、アマドコロの発見事例はありません。
下の画像は、観賞用のナルコユリです。
これは、ホームセンターや園芸用品店で「ナルコユリ」と称して売られているものですが、生長しても茎長が最大40cm位にしかならない観賞用の植物であり、黄精ではありません。
この様な小型で、数年放置しておくと茎が密集して生育する性質のものは、中国では萎蕤(イズイ)または玉竹(ギョクチク)と呼ばれ、薬理分類上からも黄精とは異なる植物であるからです。
私はこの観賞用「ナルコユリ」の根茎を試験的に生薬として食用したことがありますが、黄精と同じ薬効はありませんでした。
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