妙高山 (2,454m)  日本百名山

燕温泉〜麻平〜血の池〜湯道分岐〜胸突き八丁〜鎖場〜山頂南峰〜山頂北峰〜長助池〜麻平〜燕温泉
登り高低差 1334m 登り所要時間 4.2h 登り獲得速度 317m/h

 今年中に登頂を目指す高妻山登山への前哨戦として、中学1年以来2度目となる妙高山を選びました。
 真っ暗な燕温泉駐車場を4:10に出発し、血の池経由ルートで燕登山道を歩き始めました。
 今回も、筋力トレーニングのため過大な携行品と行動食、水をザックに詰め、体重の8%の重量となりました。
 ここまでの知識武装作戦の集大成として、これまでに読んだ数冊の書籍に記載された運動生理学と身体操法、危険回避の数々の知識を総動員し、並列に実践することで体力を温存し、疲労や負傷の無い、迅速な登山行動を実現することも目的にしました。

 筋肉に過負担を掛けず、登りながら適度な糖分補給でグリコーゲンの補給と分解を同時に行う技術により、5合目までは順調に行程を進めることができました。
 この後到達した最初の難所、5合目の胸突き八丁(下の画像)も、楽にクリアーです。(中学1年の時も、何とも思わなかったが。)


 8合目の風穴で軽い食事休憩を取りました。家でPETボトル入りスポーツドリンクを冷凍してあり、これをここまで数回の小休止時に体幹や手掌に当てて体温を下げるという作戦が奏功し、心拍数の上昇が抑えられて快適な歩行ができました。スポーツドリンクはこの地点で完全に解凍されたことで飲用し、能勢博・「山に登る前に読む本」に記載された登山中のスポーツドリンクの効用が発揮されたことを実感できました。
 9合目の次の難所、鎖場も楽に通過し、充分に体力を残して山頂に到達しました。これで何と、妙高山よりも標高差が低い黒姫山での登山時間が4.3hだったのに比べて速いペースで登頂していました。



 山頂からの展望は、この日の予報が曇りであったことから期待できたものではなく、雲の隙間から僅かに北アルプスが見えたくらいでした。
 35年以上前という遠い昔に登った時の山頂は、周辺がハイマツに覆われていましたが現在は全て消滅し、広葉樹と里山でも見られる植物に占領されています。悲しくも、地球温暖化の影響に間違いありません。
 8月15日という連休中でありながら、登頂者(北峰、南峰合計で約15人)が少ないと思っていたところ、9時頃から続々と登山客が増え始め、下山中には笹ヶ峰方面からの登り登山客を70人近く見ました。



 ↑帰りに立ち寄った長助池です。黒姫山で見た大池、七ツ池によく似た幻想的な風景です。このカルデラ部もすぐにガスがかかってしまいました。
 下山ルートの長助池〜燕温泉コースでは、山頂から長助池分岐までの間に最近落下したと思われるような3t程の巨岩が不安定な状態で立っていて登山道を塞いでいたり(今回の行程での最大の危険箇所だった。もし巨岩がバランスを崩して転がれば、下の登山道にいる登山者を多数巻き込む大惨事だ!)、何ヶ所か整備の行き届いていない箇所があるなど、危険で時間が掛かります。下山時には特に長い休憩をした訳でも、速度が遅い訳でもなかったのですが、燕温泉までは4時間掛かりました。このルートの標準下山タイムは3時間となっていますが、私にはどうやっても無理です。燕温泉から登る方には、帰路は整備の行き届いた鎖場〜胸突き八丁経由でピストンすることを私からはお薦めします。

 今回の登山では、喘いだり、脚が上がらなくなったり、膝に痛みが生じることは無く、約9時間の行程後も体力の消耗を余り感じませんでした。終わってみれば、黒姫山よりも楽でした。これで、高妻山登頂への体力的、技術的問題は無いと判断がつき、あとは素晴らしい天候の到来を待ち、胸を張って高妻山へ向かいます。
 最後に、下山に同行して下さった滋賀県の日野さん、とても楽しい山行になりました。どうもありがとうございました!


雪国黄精の オカダ・システムエンジニアリング研究所
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